この記事の担当者
渡辺友栄
【人材業界専門エージェント】株式会社インプレッション
コンサルタント 人材業界歴20年
「あなたの転職市場価値は?」と聞かれたら、どう答えますか?
市場価値≒給与とした場合、他の会社に転職をした場合、今の給与より高くなるでしょうか? 低くなるでしょうか?
市場価値を考えるにあたり、まずは現在の転職市場を知る必要があります。
人材派遣業界と人材紹介業界の転職マーケットに分けてみて行きましょう。
人材派遣業界
40代以上
1986年の労働者派遣法施行によってスタートした人材派遣業界は、2010年代の引き締めの動きがおこるまで、規制緩和により拡大してきた業界です。
したがって、一般的にいう労働人口の分布に加え、業界が最も成長したタイミングで人材派遣業界に入ってきた40代以上の経験者はとても多い。
つまり、ライバルがそれだけ多いという事です。
あなたが40歳以上の場合は、このなかで自身の付加価値を上げていかねばならない。
この年代の多くの方が、マネジメント経験があり(業界の成長に伴い)事業拡大をしてきた経験があるため、それ以外の+αが付加価値となる。
例えば、マネジメントでも数十名~数百名規模で実績を上げた経験や、事業をゼロ~数億規模に作り上げてきた実績などは分かりやすい。
20~30代
35歳位までの方であれば、派遣業営業の経験があるだけでも、派遣営業のメンバークラスとしての市場価値は高い。
(ここで市場価値は=給与ではない。市場からのニーズという意味だ)
ただし、20代後半以降は、営業でしっかりとした実績をあげてきたかどうかは市場価値に影響する。
30代に入るとリーダー~マネジメントの経験を持っている人もでてくるが、管理職としての転職を考えるのであれば、今度は、管理職としての成果が評価点となるが、ここで実績がある方は、かなり市場価値は高くなる。
あくまでも一般論になるが、転職する場合のポジションと年収の目安は次の通り。
- メンバー:300~500万
- 課長~係長:450~550万
- 部長:600万~700万
- 役員クラス:700万以上
人によっては、転職するメリットがないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、自社の将来性、自分自身のキャリアを考えたときに、
中長期的にメリットがあると思えば、目先の待遇にとらわれず、チャレンジされる価値はあると思います。
人材紹介業界
業態としては1960年代後半から存在したが、規制緩和により2000年頃から新規参入が増えてきた業界である事、マーケットとしても、派遣業界が4兆円規模に対して、紹介業界は8000億円と市場規模が小さい事から、派遣業界と比べると従事者は少ない。
とはいえ、規制緩和前から紹介業をされている方はさておき、経験者がいないため未経験者を大量に採用していた2000年代のころと比べると20~40代の経験者も増えてきている。
以前は、紹介業の経験があるだけでも付加価値だったが、現在では、両面のコンサルタントであれば、年間売り上げ2000万円の実績は、採用するか否かの目安となっている。
また、人材紹介業界における管理職のニーズはそれほど多くない。
あってもほとんどがプレイングマネージャーで、個人でも成果を上げることが求められる。
気になる収入については、実績が反映される事はご存知の通りだが、概ね粗利(売上-募集費)の20~50%が年収になる。
随分と幅があるように感じるかも知れないが、還元率が低い企業は、未経験者を育てたり、人材や求人のリソースを会社で集めたり共有する環境である事が多く、還元率が高い会社は、求人・求職者のリソースはコンサルに依存する事が多く、経験が長く自立したコンサルタントが集まっている会社が多い。
後者の場合は、還元率は高いものの、インセンティブの比率が高い事が多い。
収入を上げるなら実績を上げる、という事が一般的になるが、家庭があって、どうしても最初から固定給与を確保する必要がある、というケースがある。
その場合は、マネジメントや人材紹介事業の立ち上げなどの案件だと固定給が上がる場合があるので、ねらい目かもしれない。
いかがでしたでしょうか?上記は、あくまでも一般論的な情報を記載しましたので、もちろん求人によっては例外もあると思います。
しかしながら、市場平均と乖離しすぎる場合は、どこかで歪が出てくるリスクもあります。
そうした事を考慮した上で、転職をする際は、慎重に検討されることをお勧めします。
この記事の担当者
渡辺友栄
【人材業界専門エージェント】株式会社インプレッション
コンサルタント 人材業界歴20年