この記事の担当者
木村 正宏
【人材業界専門エージェント】株式会社インプレッション
代表取締役 人材業界(派遣・紹介)歴32年
2022年も後半に突入しました。
コロナ禍が始まって2年が経過し、始まった当時と比べると、様々な面でコロナ共存スタイルが定着し、経済も少しづつ回り始めてきました。
人材紹介業界の直近の動きはどうでしょうか。
インプレッションが受注している求人の動きや勉強会での情報などを参考に、マーケット感をまとめてみたいと思います。
大手人材紹介会社の業績レポート
最初に、半期ごとに人材協から発表されてる大手人材紹介会社の業績レポートを見てみます。
人材紹介大手3社転職紹介実績(別窓でpdfファイルが展開します。)
※公式なデータとしては厚労省から毎年発表される事業報告結果もありますが、集計内容が1年遅れのデータなのでこちらの方が参考になると思います。
人材協さん、いつもありがとうございます。
首都圏の決定実績
首都圏での決定実績を抜き出してみると、
- 2019年度(2019年4月~2020年3月) 54,658人
- 2020年度(2020年4月~2021年3月) 42,286人
- 2021年度(2021年4月~2022年3月) 52,888人
です。
コロナ禍が始まった2020年度は、前年比で77,4%と落ち込んでいますが2021年度はコロナ前の水準にほぼ回復しています。
(2019年度比96,8%)
大手人材紹介会社3社の実績値なので、マーケット全体の数値とイコールではありませんが、業界としては概ね、コロナ前の水準に戻りつつあると考えて良いと思います。
人材紹介会社様の状況
次にインプレッションに求人のご依頼を頂いている人材紹介会社様の状況をお話したいと思います。
- 2019年度(2019年5月~2020年4月) 106件
- 2020年度(2020年5月~2021年4月) 126件
- 2021年度(2021年5月~2022年4月) 156件
※上記は全て人材紹介会社様からのコンサルタントの求人です。
コロナ禍以降も求人数は伸びています。
当社に求人のご依頼を頂ける会社は「紹介手数料を払って良い方を採用したい」とお考えの人材紹介会社さまばかりなので、資金的に余裕があり業績が好調の人材紹介会社が大半です。と考えると、やはり去年から今年にかけて業績が回復している人材紹介会社が多いのだと感じます。
人材紹介会社の求人は増加傾向
求人企業の方とお話をしていても勢いがあります。
- 新しい領域に拡大したい
- あらたに支店を出店したい、支店でも増員したい
- 組織拡大のためのマネージャーが足りない
等の求人がかなり増えています。
新規事業の求人について
もう一点、特に今年に入ってからは、新規事業がらみの求人が増えています。
- 新しい分野の人材紹介を立ち上げたい
- テクノロジー事業を立ち上げたのでトータルでコンサルできるコンサルタントを採用したい
- HRテクノロジー関連の会社が人材紹介を立ち上げ業績を伸ばしているので増員したい
- 採用代行分野に拡大し業績を伸ばしているので増員したい
等です。
事業会社の求人について
また、人材紹介会社での経験を必要としている事業会社からの求人も増えています。
- コンサルティングファームからの求人のご依頼
- 事業会社からリクルーター(採用担当)の求人のご依頼
- 人材会社にテクノロジーサービスを提供する会社からの求人
- 採用代行(RPO)会社からの求人
等が入ってきます。
人材業界は活況
話は戻りますが、コロナ前から続いている根本的な人手不足状態が更に深刻化してきていることから、人材業界が活況なのだと思います。
一方で集客の問題も
一方で課題も顕著になってきています。
それは集客の問題です。
最近良くお聞きするのは「内定辞退が増えた」という話です。
「複数内定が出る」、「希望より高年収で内定が出る」、「希望する条件を飲んでくれる」
等の理由でこのような現象が起きています。
今年度は、この問題(集客面)をどう克服していくか、が業績の鍵になると思います。
以上、人材紹介業界の景況感でした。
この記事の担当者
木村 正宏
【人材業界専門エージェント】株式会社インプレッション
代表取締役 人材業界(派遣・紹介)歴32年