この記事の担当者
渡辺友栄
【人材業界専門エージェント】株式会社インプレッション
コンサルタント 人材業界歴20年
一気通貫型がおすすめ
人材紹介コンサルタントの仕事に就くにあたり、分業制と一気通貫型のどちらを選択するのがよいでしょう?
その方のこれまでのご経験や今後どのようなキャリアを目指すのかという事にもよりますが、可能であれば一気通貫型をおすすめします。
その理由は、3つ。
それぞれについて説明していきます。
1.転職先の選択肢が多い
人材紹介業界は、一気通貫型の紹介会社が圧倒的に多く、 分業制は、大手の総合人材サービス会社の紹介部門か極一部の特化型の人材紹介会社に限られます。
また、分業制は「業務範囲を限定することで未経験者でもスキルが習熟しやすい」「業務効率を上げ大量の業務量をこなす事ができる」というような特徴がありますので、メンバークラスの募集の場合は、それほど熟練していなくても量をこなせる比較的若い方を採用する事が多いようです。
よって、もしあなたが社会人10年以上将来的に転職をする際にも、一気通貫型で経験を積んでおいた方が選択肢は広がります。(分業制の会社に入社した場合でも、CA(求職者担当)、RA(企業担当)をそれぞれ経験することで補完できます。)
2.ロングスパンで働ける
1で述べたとおり、一気通貫型の会社が多く、長期的にみても働く機会が一気通貫型の方が多い事に加え、一気通貫型の方が、組織依存ではなく、個人にスキルやリソースをに身に付けやすい傾向があります。
専門領域
会社によっては、領域を限定されている場合もありますが、 マーケットの状況やトレンドなどにより、企業軸と求職者軸で、領域を広げたり、シフトさせる事が可能です。
例えば、IT企業にエンジニアを紹介している場合。企業軸で、エンジニアの紹介だけではなく、管理系職種も取り扱ったり、人材軸でIT企業ではなく、一般企業にシステム担当として紹介する事も可能でしょう。
なんでもやるのは、あまりお勧めしませんが、一気通貫型で自身の可能性を広げ、2~3の得意な領域を持つことはあなたの強みになります。
レイヤー
領域と同様に、最初は年収300~400万のジュニアクラスの紹介から始まり、500万以上のマネジメントクラス、1000万以上のより経営層の近いクラスに取り扱いのレイヤーを自分自身で上げていく事も可能です。
働き方
組織依存ではなく、自己完結で売り上げを作れる一気通貫型のコンサルタントだからこそ、自由な働き方をすることも可能です。結果にコミットできれば、時間や場所にこだわらず働ける会社も増えています。
このように、自立して、常に自身のスキルをアップデートし、戦略的に自らのキャリアを築いていける方であれば、一気通貫型の紹介コンサルタントとして長く仕事を続ける事が可能です。
3. 一気通貫型(両面)ならではのやりがい
求人、求職者の両方を把握している一気通貫型だからこそできる事があります。
例えば、求人・求職者両方を担当することで、情報が多面的に集まりやすく、担当するマーケットについてより詳しく把握することができます。
これにより、企業から「最近の人材の動きはどうですか?」という事を聞かれたり、求職者の方から「最近の求人状況はどうでしょうか?」と聞かれた際にも、自らのリアルな情報を伝える事ができます。
また、条件マッチングではなく、提案型の人材紹介ができるのも、一気通貫型ならではです。
例えば、
「求職者の方と面談する中で、あの会社にこういう人が必要なのではなだろうか?」と提案
こんな事ができるのは、コンサルタントが求人求職の両方の情報を把握しているからこそです。
事例をご紹介しましたが、このようなやり取りの中で、求人企業や求職者の方にメリットを感じて頂き、信頼関係事に繋がっていくことも多いでしょう。
そうして長年にわたるキャリアの中で、自分自身にリソースを身につけた方は、70歳を過ぎても現役の一気通貫型の人材紹介コンサルタントとして活躍されている方も多くいらっしゃいます。
以上、一気通貫型で人材紹介業を行うメリットを述べてきましたが、一気通貫型が良くて、分業制が悪いという事では決してありません。
将来、どのようなキャリアを積んで聞きたいのか?
という事によりどちらを選択するかが変わってくるとも言えます。
裁量を持った働き方や、個人としての力を身に着けていきたいのであれば、一気通貫型をおススメしますが、組織の中で、早期にマネジメントを目指していきたいのであれば、分業型が良いかもしれません。
今後の転職活動や今後の人材紹介業界でのキャリアを考える際の参考になれば幸いです。
この記事の担当者
渡辺友栄
【人材業界専門エージェント】株式会社インプレッション
コンサルタント 人材業界歴20年